説教:聖なる地点』今野善郎牧師(那須塩原伝道所)

聖書:出エジプト記3:112

 

出エジプト記3章は、「神」(ヤハウェまたはヤーウェ)の自己紹介が、6節、12節、14節にある。自己紹介ということは、「神」(ヤハウェ)の初登場の場面と考えられる。

モーセがミディアンの地、シナイ山で出会ったのは、この全く新しい「神」(ヤハウェ)であった。この出会った「神」は、人間に親しく語りかけ、民の苦しみを見て聞いて受け止め、その痛みを知られる神であった。また、民の所へ降って行き、共におられ、民を救い出し導き上るビビットでダイナミックな神であった。出エジプトによって、このモーセが出会った「神」がカナンの地に持ち込まれ、先祖からの「アブラハム、イサク、ヤコブの神」と「神」(ヤハウェ)は、神格が同一化され、属性が融合されて「イスラエルの神」と呼ばれるようになったと神学的には言われている。この「神」(ヤハウェ)と私たち人間が出会う場所を「聖なる場所」(アジール)と呼んでいる。私たちは、「聖なる場所」を生活の中にもっているだろうか。この「聖なる場所」に私たちは招かれ、そして砕かれ、その神に遣わされるのである。